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魍魎拳

漫画の感想の置き場

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この読切が面白い2013 ~その他出版社編~

数ある雑誌の中でもコミックリュウとかコミックビームなんかは長期連載作品が少なくて入れ替わりも激しいので、ほかの雑誌よりも読切が多いように感じます。

特にコミックリュウは「登龍門」という新人賞企画を何か月かに一回やっていて、自分が面白いと思った作品にネット・郵送で投票できるというシステムが面白くて毎回楽しみにしています。読切が多いのは、やはり楽しい。




コミックリュウ11月号『どろあそび』浅岡キョウジ



単行本『變愛』が発売されてにわかに注目を浴び始めた浅岡恭二先生の、単行本発売記念の読切。

人形のように綺麗な、クラスの男子からも注目の的である自慢の幼馴染をめっちゃくちゃの泥まみれにしたいという、ドロッとした情念





目力がすんごい。

単行本『變愛』も眼球嗜好癖をはじめとする歪んだ愛情表現をする人間の話がてんこ盛りで、ガロッとしてて良いです。





12月号『踊り場キッチン』中野でいち



前後編読切。母子家庭に育ち、母の身を削るような努力と心労の基に大学に進学した苦学生の主人公が、誰かから優しさを受けることを恐れるようになり、下宿生に朝昼晩の食事を善意で用意してくれる大家さんをも突き放してしまう。





パート疲れがたたって病床に伏せる母に対する、母から血肉を奪って生きることへの罪悪感に生きづらさを感じる主人公が、いかにして世間の優しさを受け入れ、かつ母娘の無償の関係を受け入れることができるようになるかという、大人への成長過程にある若者の悩みをえぐる読切でした。






中野でいち先生はコミックリュウの新人発掘企画「登竜門」にも登場したことがあって、その時に描いた『とらごころ』もすごく好きでした。



失恋のショックで体が虎になってしまった男が失恋の相手との関係に切りをつけ、嫉妬や憎しみから脱却した人間に戻ることができるかという「山月記」ネタです。とても丸っこくて線の太いタッチがかわいらしくて、あさりよしとお先生や手塚治虫御大にも似た「セクシーな丸さ」を持った、稀有な漫画家さんだと思います。普段は同人活動をされているそうですが、商業誌でももっとほかの作品読んでみたいです。





雑誌としての知名度が低く、書店によっては置いてなかったりもするコミックリュウですが、最近は人外を扱ったマンガが増えてきてケモナーの方々の注目を集めてますね。もっと有名になってしまえばいいと思います。






最後に、その他出版社をまとめて。


ヤングチャンピオン列8月号『収穫祭の女』茂木清香(もぎさやか)



アニメ化が決定しているアーススターコミックの『pupa』の作者・茂木清香先生の読切です。


足が根を張り髪が木の葉になり、蟲にその身を齧られる少女、少女を取り巻く人間社会の狂気じみた因習。



甘美である!


オーガニックなタッチで禁断の兄弟愛を描いた『pupa』のアニメがどんな感じになるのか非常に楽しみです。




週刊少年チャンピオン8月号『NOIRx2(ノワールエックスツー)』MIR(ミル)



120年の修行分の内功を秘めた秘薬を手に入れた二人組が、欲に駆られて友情を超えた熾烈な序列争いを繰り広げるという話。




ページの大半を占める戦闘シーンの躍動感、切り取り方が巧みだなぁと感じる一方で、物語の締めくくりも非常にクールでした。45ページと読みごたえもあります。







ヤングキングアワーズ11月号『君の声が聞こえない』鈴木小波(すずきさなみ)



『出落ちガールズ』の鈴木小波先生の、単行本発売記念読切。特定の音質・周波数?の音だけが聞き取れないという特異体質のいじめられっ子と、かれがまさに聞き取れない領域の声を持つクラスメイト、日常に静寂を求める二人は屋上で奇妙な時間を共有します。



次第に彼女の歌声を聴きたいと思うようになったいじめられっ子は、骨伝導でなら彼女の声を聴くことができるのではと気づき、すったもんだ等等…。





鈴木小波先生の描く物語は心が洗われるようないい話が多くて、とても好きです。






以上…



ネットで検索しても読切の感想って作品単体では結構あるんですが、まとめて数作品の感想を載せている記事ってあんまり見かけないなと思ったので、できるだけ詰め込んでやろうとしたらこんなアホみたいに長い記事になりました。


出版社様が無料で公開してる作品にはリンクをつけてみましたが、やはりそういう作品結構少ない、読切の一期一会感が高まりますね。既にいろんなところで連載を持っている漫画家さんも多いですが、ここにのっけた漫画家さんたちがいつかベストセラーな作品を発表するようになったら、そういやこの人こんな読切描いてたなぁと、このページを見て思い返したいですね。単行本特別収録みたいな形で再会できる日があれば、それが最良です。


そして来年までにはタブレットとスキャナーを買って、自分の好きな作品を手元においていつでも楽しむ・懐古することができる環境を整えておきたいなと思います。擦れてインクが薄くなってるのページが結構あって焦りました。



おしまい

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