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魍魎拳

漫画の感想の置き場

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『花もて語れ』と感想と二次創作性②


二つ前の記事でヤングマガジンの『PACT』について自分が面白いと感じた点をまとめてみたんですが


 


記事をアップした後に『PACT』についてネットの評判はどんな感じなのかしらと調べてみたら方々でしこたま酷評されていて、それもかなり攻撃的に、愛読者の感性を疑うというような旨の意見が多くみられてちょっとびっくりしました。


 


PACT』は謎のテロリストが仕掛けた巨大窒素爆弾を除去する特殊部隊の話
批判の多くは“漫画的ご都合主義展開”と“軍事兵器に対する考察の甘さ”に向かっていました。例えば

どんな爆弾使ったら都市が丸ごと水没するような大規模地盤沈下が起こせるんだ?
とか
沈んでいくロシアの軍艦がどう見ても日本の大和じゃないか
とか
なんで水中でガトリングガンの威力が落ちてないんだ
とか…




そのどれもがもっともな内容の意見であり、私は読んでいる時に上記のような突っ込みポイントを全く気付かずに読んでいました。軍事兵器への考察に関してはまったく知見がないので何とも言えないのですが、ご都合主義的・漫画的と言われれればその通りなんですよね。


 


 


爆弾処理のたびに誰かが犠牲となって主人公の火事場のクソ力を引き出すご都合主義的な展開があったり、一度発射されたミサイルが着弾直前でプログラム操作を受けて軍艦に逆戻りしていったり





そんな馬鹿な…

海中の潜水艦の中に超高層ビルがあるという4次元ポケット現象があったり


そんな馬鹿な…


それでも私は『
PACT』がつまらない漫画だとは思っていません。それは以前に書いたブログで上げたように、私は私なりに『PACT』に面白い点を感じているからで、『PACT』の話を勝手に個人的な人生経験に関連付けて勝手に感動しているからなんですよね。それは前に書いた通りです。理知的な、冷静客観的な分析なんて、正直どうでもよくて、批判が集中する整合性云々の問題とは全く別の点に私は魅力を感じているのです。


私が漫画に求めているものってたぶん、話の構成の巧妙さとか緻密さとか、絵のうまさとかではなく、キャラクターがどんなことに巻き込まれてどう対応するかっていう、キャラクターの人生を見たいだけなんだと思うんすよね。

あれだけ多くの批判を目にしてもこの漫画を好きなままでいられるのは、批判する彼らと私とでは、物語に求めるものの優先順位が全く違うからできっとお互いに意見交換しても痛くもかゆくもない関係にあるのだと思います。彼らの意見は理知的で人間性に関わることではないので、私の心に入り込んで傷をつけてくる性質のものではないのです。

護衛隊長がマシンガンで脳天撃ち抜かれても全然生きてたり、これは漫画だから起きることなのであって現実にはそんなことは起きるはずがない。だからこの漫画は糞だ!とはどうにも思えないんす。多少非現実的なことが起こったのならば、そんな目に合っている登場人物たちが今後どんな対応をとるのか、またどんな数奇な運命をたどることになるのか、それが気になるばかりで


私が漫画について現実的な分析を入れたり、何か高尚な考察を入れたりってのが苦手な理由は、小学校のころに『キン肉マン』を読んでドハマりしたからなんじゃ ないかと思っています。『キン肉マン』が物理法則や前後関係を全く無視した表現をする漫画であることは有名ですが、私は初めて『キン肉マン』を読んだとき はそんなこと全く気にしていなくて、ただただ落ちこぼれのダメ超人がグングン強くなっていくのをかっこいいなぁかっこいいなぁと思って読んでいたんです。 体重の重い方が落下速度が速い!と言われればそうなのか!ロビンマスク逃げて!となるし






キン肉バスターとキン肉ドライバーを合体させたマッスルドッキン グはその威力が4倍以上になっていると言われれば、やっべぇペンタゴンが死んじゃう!ってアホみたいにすんなり受け入れていたんす。





筋肉バスターも筋肉ドライバーの持つ威力についても、何がそんなにすごいのかはよくわからないし、ドッキングしたことで10倍の破壊力が出る理由なんて何も書いてません。
それでも読んでる私にとって筋肉バスターはウォーズマンやバッファローマンを倒すほどの必殺技で、筋肉ドライバーは阿修羅マン・悪魔将軍でさえ破ることができなかった超必殺技、そんなものがドッキングしてしまえば、それはただただすっげぇぇえ威力のミラクル必殺技なんです。理屈はどうでもよくて、その物語の中で完成している文脈・テンションに乗って素直に感動することが楽しくてしょうがないんす。

難しいことは考えずにとりあえずストーリーの波に乗っかって、乗り終えて落ち着いたら多少読み直して考えてもいいかなぁぐらいの感覚です。『彼岸島』とか『魁!男塾』なんかもそうなんですが、突っ込みを入れてしまうとどうしてもストーリーの勢いが頭の中で止まってしまって、どうも盛り上がりきれない、突っ込みいれるの、めんどくさいんです。


まぁでも私が軍オタとか特殊部隊に所属していたりしたらこの漫画はかなり滑稽でエンターテイメント性に特化した商業的作品に見えるのだろうなとも感じました。この漫画の批判はスレッドでまとまって立っているほどたくさんあって、なんというか自分と違う目線を持つ人の感想をまとめてみることができたので、それもまたいい経験だったと思っています。







ネットで検索するといろんな感想に出会います。

褒めているものもあれば低評価のものもあるし、褒め方にしても何が面白いのかこちらには全く伝わってこないものもあるし

低評価にもそれなりに理由と原因を挙げて、何故自分がそこが悪いと感じる至ったかまでじっくり書いているものもあって

まぁでもとりあえず「科学的考証がなってないからクソ!」みたいな、客観的な尺度でもって論破するだけの割と雑な感想が多いなと感じてすごく物足りないんす。どうせならもっと踏み込んで人生観まで交えて徹底的に批判してくれよって思うんすよね


つまらない雑な感想書いてる人は、もとの作品の内容がどうあれ、つまらない感想しか書けないのはそいつのせいなので、つまらない感想自体にも批判が来ることを覚悟しておく必要があるみたいな、そんな


なんか愚痴っぽくなりそうなのでそろそろやめますが、『PACT』に関する批判が思いのほか感情的な悪意を込めたものが多くて「これ読んでるやつは出版社に踊らされて、ちゃんと細かいとこまで見れてない愚者」的なコメントを見てなんだこの野郎肯定否定の差はあれど私の方が面白い感想書いてるからな畜生!とか思って、こんな感じになりました。






 

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