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魍魎拳

漫画の感想の置き場

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富士山さんと誘導尋問

世界遺産になったらしいですね
Googleで検索すると「噴火」ってサジェストされるんですよね

外国人は日本語の重箱読みに喧嘩を売るかのごとく「FUZIYAMA」と、それを呼びますね


さて

今漫画アクションで連載されている「富士山さんは思春期」っていう漫画が、私のなかで色々と心にチクチク来てるのでその話をします。


~あらすじ~
身長160cmの男子中学生・上場くんがクラスの男子に頼まれてマドンナ青木さんの着替え写真を盗撮しようとしていると、青木さんと更衣室の窓との間に巨大な壁が立ちはだかる。
それこそが身長181cmのバレーボール部のエース富士山さんである。絶好のチャンスを逃したと思ったその時、上場の目に富士山さんの衝撃的に豊満な肉体が飛び込んでくる。咄嗟にシャッターを押した上場は偶然撮れた富士山さんの盗撮写真に悶々とし、性欲のブーストを受けて富士山さんに付き合ってくれと告白。なぜか富士山さんはそれを快諾し、以降周囲の目を気にしながら不器用にイチャイチャする二人の思春期が描かれる。


という、なんとも胸の痛くなる雑誌を力任せに引き裂きたくなる、私がもっとも苦手とするタイプの青春漫画のはずなんですが、なぜか毎話毎話食い入るように読んでしまっています。


作中、富士山を見る上場君の目はエロの塊です。しかし富士山さんはそのことに一切気づいておらず、殺人的な肉体をよそにただただ健康的で真っ当な振る舞いをします。


汗まみれ


スパッツ着用本気ダッシュ



その、本人はエロの意識はないのに、周りはがっつりエロ目線で見てしまう感じ

健康的で無垢な精神と成熟した肉体とのギャップ


そしてそれを見る人間のちょっとした罪悪感

目のやりどころに困る人


昨今そういう「これをエロいと取るかはあなた次第」みたいなものが増えてきたように思うんですよね。
某からだを巡るお茶とか、某カルピス、某アイスのCMなんかはまさにそれで


露骨にエロを想起させるなにかを仕込みながら、それを前面に出さず「これみよがしな演出に見えるけど、それは私の心が肉色に染まってしまっているからなのかもしれない…」みたいな自責の念さえ生むような、誘導尋問的な演出

万が一それをエロスと絡める人間がいれば自信をもって「何言ってんだこの助平は」と言える態勢がしっかりと整ってる感じ

そこに火種はないんだけど松ヤニが大量に落ちてて「火着ける着けないは自分次第だし放火したら捕まるけど、松ヤニには火を長持ちさせる機能があるらしいね」って書いた木製の看板がある感じ


例えば深夜番組の「全力坂」
YouTube動画
都内各地の趣ある坂道を、売り出し中の女性アイドルに全力で駆け上がらせるだけの短い番組

ただ走ってるだけなのにカメラアングルが怪しげだったり、登り終えて肩で息するアイドルのアップを写したり、何だか凄くこれ見よがし

何かやらしいものを感じる一方で、ちょっと坂道の魅力にひかれている自分がいたりで、エロとは断言できない


ただ、昨今のCMにしても「全力坂」にしても、六割方エロ要素で構成されているものを隠匿するのは無理がある話で、そこに気持ち悪さを感じる人も多いのではないかと思います。
コラムニストの北原みのり 氏「テレビ朝日の「全力坂」と「美 少女ヌードル」は気持ち悪い」


なのでもっと分かりにくく、1割程度のエロ要素を九割の正義で隠すような、日本古来の秘め事精神を持つものに期待がかかります。

そして漫画で言えば
「たべるダケ」

正体不明の女の子がいろんな土地、店でとても美味しそうにご飯をたべる、というそれだけの話。周囲の人間は食事をする少女の唇、喉、腕、満足げな顔を見て得も言われぬ感動を受ける。

彼女の食いっぷりに感化され皆無言で飯を食う


ただ飯食ってるだけなんですけど、描写が何か怪しい。唇の艶やら滴る汗やら食いこぼしやら…どれをとっても食事のワンシーンでしかないはずなんですが、艶かしさが異常なんです




作中、女の子はほとんど喋らずひたすら食います。
実写ドラマ化が決まっているらしいのですが、その点がどれだけ再現されるのかちょっと楽しみです。


「ザワさん」

名門男子野球部、唯一の女性部員都澤理沙、ザワさんの日常を描いた漫画。

健康的な男子高校生に囲まれて生活するザワさんが、野球部員としては平等な関係を保たれながら、日常生活においてうっかり性的な目で見られたり、という非常にモヤモヤした気持ちになれる漫画です。

野球部は足が日焼けしない

性差

さらにこの漫画の面白いところは女子であるザワさんだけでなく、周囲の男子達をもフェティッシュな目線で描いているところで、 汗に光る坊主頭や擦れてテカテカになった学ランなど、高校球児のむせかえるような男臭に着目する女性作者ならではの癖が感じられます。

高校球児の尻三連発

撫でたくなる坊主頭


スポーツの爽やかさは絶対、そこにエロなんてあるわけないだろうと主張できる最強のツールですよね



こういうスレスレ感のある演出に、何だかいろんな可能性を感じてしまうのです。ドラマとかでもこういう良い寸止めで、エロを合法化するスタンスが増えたら面白いんじゃないかって

主要人物の一人が指に絆創膏を貼ってるんだけどそれについて一切触れられないとか

水を飲むシーンがやけに多いとか

キャリアウーマンのスーツが腰のあたりだけヨレヨレとかね


それで「そのエロ描写は倫理上よくない」なんて抗議されたら、「何勝手にエロい妄想してるんですか引くわ…」と押し退けることができるわけで、今後テレビ漫画アニメ業界はエロに関して規制の風が強くなる一方で、どんどんあざとくなっていくのだろうなぁなどと感じています。


なので今の流れでいけば「富士山さんは思春期」的な青春合法エロ実写ドラマが作れる日がくるんじゃないかななんて思います。


児ポ法を掻い潜れそうな合法ロリ漫画みたいのも最近増えてますしね。

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