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魍魎拳

漫画の感想の置き場

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無料webコミックを上手く楽しめない私の話:『画楽.mag』など


最近無料で読めるweb漫画サイトが増えてきていて、そこから単行本化された作品をいくつか買って読んだりしているのですが、webコミックサイトを定期的に購読するということが全くできないでいます。単行本は買ってるので、興味自体はあるし作品を読んでとても面白いとは感じているのですが、何故なんでしょう。


 


たとえば


〇秋田書店チャンピオンタップ『宇宙怪人みずきちゃん』たばよう


女子高生に扮した宇宙怪人みずきちゃんが倫理観ゼロに街を破壊したり、少年に生の蛙を食わせたりするSF系の話


 


〇小学館やわらかスピリッツの『ストレッチ』アキリ


ルームシェアしてるOL二人組がストレッチで身体をほぐしつつウダウダと生活する話


 


〇講談社マンガボックスの『たわら猫とまちがい人生』日高トラ子


デブな猫の話。


 


など、これらの漫画サイトに私はたまにしかアクセスしないし、せっかくアクセスしてもいくつか知ってる作品の更新状況を確認するだけで読まないことすらあります。その他の作品については、クリックすらしていません。何故だか、無料でいつでも読めるwebコミックに対しては、限界まで読み切ってやろうという力強い衝動が湧き上がってこないのです。掲載されてる作品は面白いのに、続きが読みたいと強く思うことはない。


 


アオハルオンラインも気になってる作品が多かったのですが、ちょっと前にサイト自体が更新終了してしまい、それに合わせて刊行された単行本を買って初めてちゃんと読んだりして、読んでみたらすごく面白い漫画ばかりで、すこし罪悪感があります。


 


〇武富智『The Mark of Watzel


〇三島芳治『レスト―夫人』


『The Mark of Watzel』は読んでて泣きそうになったし、『レスト―夫人』は吉田秋生の『桜の園』や『ラヴァ―ズキス』を彷彿とさせる青春群像もので、すげえ良かったです。


 


できることならweb上の作品すべてに目を通したうえで面白いと思ったものを単行本で買うようにしたいのですが、どうもweb上となるとそのモチベーションが生まれない。webコミックという新時代コンテンツに、私の脳みそがなかなか対応しなくて困ります。


 


なぜ私はwebコミックを楽しめないのか、そんな話を長々と書きます。


漫画の内容とかにはほとんど触れない、私の一人セラピー的な記事です。


 





 


そもそも私の漫画へのモチベーションはどこから生まれてくるのか。


私は毎月30~40冊ぐらい漫画雑誌を読んでいて、自分が好きだと感じるもの・何度も読みたいと感じるものは書店で単行本で買って、ついでに目についた面白そうな漫画を買って、たまに昔の作品の全巻セットをネットで買ったりして、漫画だけでそこそこお金を使って生きています。


 


そうなると生活に必要なもの以外、服とか家具とかおいしい食べ物とか旅行とかにはあまりお金が費やせず、結局毎月漫画と生活費だけで収支トントンな感じです。私がひと月に読み切れる漫画の量は、たぶん現状が上限で、これ以上読む雑誌を増やしたり単行本を買うペースが上がったりということはないと思います。今読んでる雑誌から撤退するとか費やすお金を減らすという考えは、今のところありません。


 


それでも身銭を切って漫画を読んでいる以上、そこから最大限の効用を引き出してやらないといけないなと感じています。今私は予算制約線と効用曲線が接する点にいます。使えるお金と読める漫画の量、その最適な配分の上にいるということです。


 


しかし私は今よりももっと漫画を楽しめるようになりたい。


そのために買った雑誌・単行本から限界まで面白い成分を読み取って、楽しんでやろうという精神が生まれます。限られた予算、時間、読書量とはいえ、そこから得られる効用は自分がどれだけ本気で漫画を読めるかという意気込み次第でどこまでも伸びると思うのです。


 


金銭・時間的にパンパンになった私の、漫画に対しての妙にガチで気持ち悪いモチベーションは、こんな感じに発生しています。


 


ただそれは身銭を切っているからこそ湧き上がるモチベーションであって、例えば他人から借りた漫画とか無料で読めるwebコミックに対して、私はこのモチベーションを抱くことができません。よく聞く「他人からおススメされたものに真にハマることができない」っていうあまのじゃくな精神も、そんな感じで生まれるものなんじゃないかと思います。


 





 


無料webコミックというものに対して、私は読書モチベーションを保つことができません。


 


作品を読めば面白いと感じるし、続きも気になります。


しかしそれが次の更新を待ち望んで更新日にすぐアクセスするような、習慣として生活に組み込まれるまではいかない。


 


 


毎週読んでいる紙媒体の雑誌は有料で、コンビニに行かないと買えないし、隔週誌や月刊誌・季刊などは書店まで足を運ぶという労力が求められます。一方Webコミックはスマートフォンでどこでも読めるし、なによりタダです。それだけ見れば、コストパフォーマンス的にはwebコミックは簡単に読める非常に便利かつ面白い、最高の存在なんじゃないかと思えてきます。


 


それでも私にはwebコミックを毎週楽しみにする習慣は根付くことなく、深く読み込んで限界まで楽しみ切ってやろうという意気込みは生まれない。身銭を切って買った漫画には身銭を切った分、それがある。結果として享受できる効用は有料の漫画の方が大きいように感じるのです。


 


これはwebコミックがコンテンツとしてだめだとか、そういうことが言いたいのではありません。漫画を読むのであれば、無料でさらっと読むのではなく、金を払ってどっしり身構えて読み込む方が、私は気合が入って楽しめると、そう言いたいだけです。


 


無料webコミックを更新日に合わせて読むこ習慣が身につかない私は、結局何回かサイトに訪問して気になったものをメモり、単行本化されたものを買って読むことで落ち着いています。


 


せっかく提示されたコストパフォーマンス性の高いコンテンツを前に、一度そのコストパフォーマンス性を叩き落としてから、嬉々としてお金を払って楽しむという、無料漫画サイトの存在意義を否定しかねない行動だとは思いますが、私のwebコミックに対する姿勢はそんな感じです。


 





 


私は大手出版社の運営するweb漫画サイトしかチェックできてないのですが、好きな漫画家さんがいたり作品があったりしないかいくつかのサイトを巡回したりして、単行本で買うものを探したりしています。


 


集英社の子会社、ホーム社が運営する漫画サイトで『画楽ノ杜』ってのがあるんですが、私は富沢ひとし先生の『エンチャントランド』目当てにちょくちょく訪問していました。『エンチャントランド』以外の、サイトに掲載されている他の作品については、恥ずかしながら全く読んでいませんでした。


無料であるということが、未知の作品に目をやるモチベーションをどうにも起こさせないのです。サイトのいたるところに他作品へのリンクが見えているし、ワンクリックでそれを読み始めることができる、しかしそのわずかな動作が煩わしくて読むに至らない。金を払わないことにはあと一押し、「全部楽しみ切ってやろう」と思わせる後押しがないのです。


 


さて最近、『画楽ノ杜』で更新済みの掲載作品がまとめて読める紙媒体雑誌『画楽.mag』なるものが発刊されました。『画楽ノ杜』掲載作品に加えて諸星大二郎『暗黒神話 完全版』や、ながやす巧『壬生義士伝』の続編が載るということで、私もそれ目的でこの雑誌を購入しました。


 


そこには当然『エンチャントランド』以外の、web上で私がスルーしていた作品もたくさん載っています。


しかし私は、紙媒体ではこれらの作品をスルーせず、すべて読んでしまいました。


 


ぱらぱらめくってると勝手に目に入ってなんとなく気になってしまう、雑誌の特性ってのもあるんですが、それ以上に700円ぐらい払って手に入れたこの雑誌を、余すことなく読み切って最大限楽しんでやろうという意気込みが私にそれらの作品を読ませたのだと思います。そして読んでみれば面白い作品がたくさんあって、webでスルーしていたことを後悔すると同時に、紙媒体で有料で読めたからこそ、この出会いが生まれたのだと嬉しくなりました。


 


ちょっと表紙がエロ漫画雑誌みたいで置き場所に困りますが、そんなこと気にしてられない良い漫画雑誌だなぁと感じます。


 


 


 




 






Web漫画サイトはライトな漫画ファンの人にとってはとても便利で親切な存在だと思います。個人的には、webサイトでは最新話と1話目が無料で読めてライト層をキャッチ、一方で紙媒体の雑誌と単行本で前時代的な私のような人間もキャッチするようなそんな環境が、数あるweb漫画サイトにも整備されれば理想かなぁと思います。



おわり


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